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「はあ」
鬼の言葉に、あたしはうなずいた。その反応に、鬼はずっこけた。
「んだよ。怖くないのかよ。普通、人間が俺みたいな鬼を見たら、もっときゃーとかわーとか言って逃げまくるだろ」
「そうなの?」
あたしの反応に、鬼はますます「変なやつ」と首をひねっていた。
なぜだか、自分の心の中で自分以外の存在が話すことに疑問は持たなかった。当時はさみしくて、誰でもいいから話し相手が欲しかったからかもしれない。
鬼は、あたしの心に、意識に住み始めた。
桃太郎の内容は、鬼と出会うずっと前、死んだ父に読んでもらっていたので知っていた。(というか、父に読んでもらったこの絵本が、きっとイマジナリーフレンドを生み出すきっかけになったのだろう)
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