初恋は、イマジナリィ・フレンド

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「もー。そんなに言わなくても大丈夫だよ」  鬼に文句を言いながら振り返ったが、車の様子を見て、あたしは怖くて動けなくなった。  確かに車は走っていた。が、少し様子がおかしかった。  くねくねと蛇がのたうちまわっているような走り方だった。それが、ものすごいスピードであたしにむかってきたのだった。  瞬間、あたしの目の前は真っ暗になった。 「とびこめ!!」  鬼の声が、どこかで聞こえた。ひっぱられたような気がした。そこであたしは意識を失った。  気が付くと、あたしはあおむけになっていた。ぬめっとした感覚が、背中に広がっていた。  痛みは感じなかった。手や、足が動かせることがわかり、起き上がった。
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