第一話 元OL→赤ちゃん

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第一話 元OL→赤ちゃん

「おぎゃあぁっ、おぎゃあぁっ」 「にゃー、よちよちにゃ、ルーララ様どうかしたのかにゃ?」 「あら? ルーララ、急に泣きだしてどうしたのかしら?」  あっどうも、東京で元OLやっていました(だて) 京香(きょうか)と申す若輩者です。  若輩者っていうか赤ん坊ですね。さっきから『おぎゃあぁっ、おぎゃあぁっ』泣いているのは私です。お恥ずかしい限りです。  つい先ほど気づいたんですがどうやら私、異世界転生したらしいです。  ちょっと地球(むこう)でどうやって死んだかは思い出せないんですが……。  こっちの世界の私の名前はルーララというらしいですよ。可愛らしい名前ですよね。  しかも裕福な家庭に生まれまして、メイドさんもいっぱい雇っているみたいだし、きっと貴族ですよ、もしかしたら王族かも。なんてね。ウフフッ。  あっ、そんな事より私今すごくピンチなんです。もう詰んでいるかもしれないくらいに。  時間が無いので手短に話しますと、今馬車の中にいるんですが盗賊らしき人達に襲われているんです。  状況を説明すると馬車の中には豪華そうな服を着たおじさんと素敵なドレスを着たおばさん。多分私の両親だと思います。  そして私とその私を抱っこしている猫耳とフサフサ尻尾が付いたメイドさんのネネさん。今度ぜひ尻尾をモフモフさせてほしいですわ。  あらどうしたのネネさん? 不思議そうな顔で私の指を見つめて? ああそうかこの指輪が気になるのね? ダメよこれはあげられないわ。  それにしてもこっちの指輪って自動でサイズが変わってフィットするような仕組みなのね。  地球(むこう)に居た頃は少しだけ、少しだけ指が太くてコンプレックスだったからサイズ言うのが嫌だったのよ。  そして最後の1人は黒いタキシードを着ていかにも執事っぽいおじいさんのセバスさん。  名前はきっとセバスじゃないかな思ったらホントにセバスさんでした。  そしてこの馬車の外には護衛の騎士数人と後、多分盗賊達がいっぱい。  あっそうだ! えーと、この指輪どうやって使うんだろ? 自動で発動するのかな? 今回こそ大丈夫かなぁ?   やだなぁ、もう痛いのやだなぁ……。怖いなぁ。怖いなぁ。   はっ来た……。  ドカッ ガツンッ グサッ 「男はいらねぇーー殺せーーー」 「いやだまだ死にたくない」「た、たすけてーー」「たっ、頼む、わっ、私だけでも見逃してくれ!」  グサッ ズサッ グサッ ズサッ 「よし今だ!ドアを壊せ!ヒァッハーーーー!俺が一番乘りだぜー」  ガンッ ガタンッ 「おんぎゃー、おんおんぎゃー」(誰かぁ、助けてよぉ)  馬車の中に盗賊達が乱入して来て私はあっさりと奪われる。  「ああうあうあう、おんぎゃーおんぎゃーおんぎゃー」(まだ首座ってないんだから、もっと優しく抱っこしてくださいよ!)  その後助けに入ってきた騎士と盗賊がもみ合いになり盗賊の持っていた剣が私の胸を前回(・・)より少しだけゆっくりと貫こうとする。  私は見た。刺されるその瞬間指輪がきらりと光り、少しだけ私の周りの空気が抵抗したことを。  でもダメだったか……残念。そろそろお時間ですね。はぁ、では皆さま、さようなら……。    グサッ  「あうっ」(うぐっ)  殺されてしまった……。  そして私の頭に中に【コンティニュー残り4】と聞こえてくる。 「おぎゃあぁっ、おぎゃあぁっ」 「にゃー、よちよちにゃ、ルーララ様どうかしたのかにゃ?」 「あら? ルーララ、急に泣きだしてどうしたのかしら?」   あっどうも、さっきぶりですね。可愛い可愛いルーララですよ。っとその前に。 【次の項目から1つ選んでください】  私の目の前に半透明な板が現れ、そこには ―――――――――――――――――――― 1・自分のステータスの魔力アップ 2・自分のステータスの攻撃力アップ 3・身代わり人形            4・サーチスキル:Lv1 5・召喚魔法スキル:Lv1転移召喚 ―――――――――――――――――――― 「あうあう?」(どうしようかな?) 「あうあうあーー!」(4番目ーー!) 「あうあうあうあーうあうあうあっう!」(よしこれでサーチスキルゲット!)  え? 一体何をやっているのかって?そんな事より早く説明しろだって? そんなにここまでの私の武勇伝を聞きたいのね。わかったわ。  え~とまずは、数時間前は、私は、私じゃなかったのよ。ただの赤ん坊だったのよ。今も赤ん坊だろうって?  まあそうなんだけど、とりあえず私の話を聞いてよ。あれは数時間前……。  ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆   家族で馬車に乗って旅をしていたら外が突然騒がしくなって争う音が聞こえて。 「襲撃です。車の中から出ないでください」って声が聞こえてきたの。 「●●様! ここは我らにおまかせください!」 「向うに見える森の中に●●族らしき者がいます。我らではかないません。ここは我らが命を懸けてもお守りしますので。どうか……」 「……わかりました。騎士団長殿、騎士団の皆さん、王女様達をお願いします」   「お任せください」 「●●族を倒したら急いで戻ってきますので、やはり●●を持ってくるべきでした……ではご武運を」 「皆聞いたか! 雑魚は我々が倒すぞ」 「おぅ! 盗賊ごときが何人居ようと我ら王国騎士団の手にかかれば楽勝だ」  何か会話の一部が聞き取れなかったけど 何て言っていたのかしら?  その後しばらくして争う音の激しさも増してきた。 「うっ」 ドサッ 「よし、御者は殺したぞ! 馬も殺していいぞ」 「ヒヒーーーーン」 ドタッ 「馬車が止まった! いけいけーーー」 「うわぁ 何だこいつら強すぎる!! ただの盗賊じゃないぞ!!」 「なっ? 騎士団長逃げないでください、敵前逃亡は極刑ですよ」 「うるさい私には家族がいるんだ! どけっ」  グサッ ズサッ 「ぐわっ」「騎士団長! なっなんで?」   「ん? なんだ仲間割れか?」 「まあどっちにしろ男はいらねぇーー殺せーーー」 「いやだまだ死にたくない」「た、たすけてーー」「たっ、頼む、わっ、私だけでも見逃してくれ!」  グサッ ズサッ グサッ ズサッ 「よし今だ! ドアを壊せ! ヒァッハーーーー! 俺が一番乘りだぜー」  ガンッ ガタンッ  馬車の中に盗賊達が乱入して来て私は盗賊に捕まれ、助けに入ってきた騎士と盗賊がもみ合いになり、盗賊の持っていた剣が私の胸を貫いたのよ。  グサッ  確実に死んだと思ったんだけど、私の頭に中に【コンティニュー残り9】って聞こえてきたの。  …………………… ………… ……
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