第三話 コンティニュー残り5回

1/1
前へ
/16ページ
次へ

第三話 コンティニュー残り5回

【コンティニュー残り5】 【次の項目から1つ選んでください】 ―――――――――――――――――――― 1・自分のステータスの魔力アップ 2・自分のステータスの攻撃力アップ 3・結界の指輪            4・サーチスキル:Lv1 5・召喚魔法スキル:Lv1転移召喚 ――――――――――――――――――――  パチッ  MPの事考えると魔法スキルは選んじゃダメね。  そうなるともうアイテム選ぶ以外ないじゃないの。 「あうあうあーー!」(3番目!) 【結界の指輪】を選択する。 【結界の指輪】の詳細が聞こえてきた。指輪を装備している者の周りに聖なる魔力を含んだ空気の壁を作り身を守る。込める魔力の量によって強度も上がる。  空気の壁かぁ……もしかして物理攻撃にはあんまり意味がないっぽい?  ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆  そして、冒頭にっ、じゃなくって、さっきの話に戻り結局また盗賊に殺されてしまったわけ。  どう? ここまでが今までの出来事よ。分ったかしら?  ふと指に違和感を感じ、目を向けてみると  あれ? 指輪がはまっている。うそっ、もしかして今まで選んだアイテムは持ち越される?  じゃあ、じゃあ、ステータスもかな? そうだこういう時は確か……。 「あうーあうあ・あーうあ!」(ステータス・オープン)  するとまた私の目の前に半透明な板が現れ そこには ―――――――――――――――――――― 名前:ルーララ・フォン・オフィウクス(オフィウクス王国第1王女、転生者) 年齢:1歳 性別:女 レベル:5←New(1→5) HP:5←New(1→5) MP:10←New(2→10) 攻撃力:1 防御力:5←New(1→5) 魔力:10←New(2→10) 素早さ:5←New(1→5) 運:1 装備:豪華だけの趣味が悪いよだれかけ   :ラベンダーな香りのおむつ   :悪徳商人に旨い事騙されて買った成金趣味のベビー服(百式仕様)   :結界の指輪←New スキル:コンティニュー(ユニーク)4/10    :念話スキル:Lv1←New    :風魔法スキル:Lv1ウインドカッター←New    :サーチスキル:Lv1←New ――――――――――――――――――――  うーん 色々突っ込みどころ満載ね。まじか私、王女様だったんかぁ。  もしかして盗賊達ってうちのパパが王様だから狙ってきているのかな?  でもそうなると護衛が少ない気が……もしかしてお忍び?  まあ後は何かレベルが上がっているんですけど……。盗賊倒したから? 5アップってすごいのかしら?  じゃあさっき気を失ったのってMP枯渇じゃなくて急激なレベルアップ酔いってやつかも。  そして一番気になるのは……装備ね。なんですかこれは? さっきから気持ちが落ち着く良い匂いしているなぁと思っていたけどそれって私のおむつの匂いだったのね。危うく時を駆けそうになったわ!  ほんと指輪以外最悪な装備ね。  うーん、防御力や魔力、素早さが高いのはステータスアップを選択したからかなぁ?  それと何気にがっかりなのがレベルアップしても運が1って事ね。私のせいで盗賊に襲われている疑惑が出てきたわ。  それで私なにをしてたんだっけか?  ああそうそう、【サーチスキル】を取得したんだったわ。 【サーチスキル】の詳細が聞こえてきた。【Lv1:探したい任意の人や物がある場所を捜索する。有効範囲は10M以内】  うん思った通りの能力ね。何でこれにしたかと言いますと、馬車の外の様子を知りたかったから。  馬車には窓がついているけど襲撃に会う時閉められちゃうから。  これでどのくらいの人数の盗賊がいるか確認できるわ。じゃあ早速。 「あーう、あーうう」(サーチ、盗賊) 「……」   あれ? 何にも反応がない? やり方間違っている? いや、まだ10M以内に盗賊が居ないのかな?  でもそろそろ時間だと思うし……ほらっ外が騒がしくなってきた! もう一度。 「あーう、あーうう」(サーチ、盗賊) 「……」  やっぱり反応がない。 「襲撃です。車の中から出ないでください」  どうしよう、盗賊が来ているわよ。  グサッ ズサッ グサッ ズサッ 「よし今だ! ドアを壊せ! ヒァッハーーーー! 俺が一番乘りだぜー」  ガンッ ガタンッ  ああ来た! 今度こそ。 「あーう、あーうう」(サーチ、盗賊) 「……」  なんで? あれ? ……あっ! 盗賊の顔よくみたらパパやママ達に比べて随分色が白いわね? しかもすごく臭いし、目だって充血ってより血走っている感じ、もしかして……。あ? やばい! そんな考え事してないで【ウインドカッター】で攻撃しないと。 「――あうあう―」(――ウインド―)   ――間に合わなかった……私は盗賊に奪われ、助けに入ってきた騎士と盗賊がもみ合いになり、盗賊の持っていた剣が私の胸を貫いた。  グサッ  「あうっ」(うぐっ)  死ぬ間際に盗賊の顔が視界に入った……なぜだか失敗(・・)したって顔で私を見ていたような気がする……。  また、ダメだったわ……。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加