5人が本棚に入れています
本棚に追加
和解
「・・負けたわ、分った今夜8時、淳のマンションの前で、どう?」
「8時、いいけど・・」
「いいけど・・何よ?」
「わざわざマンションまで来てくれなくても、メモに書いてくれるだけでいいのに・・」
(ん? 淳の奴何か隠してるな?)
「私が行くと不味いことなんかあるの? 彼女さんが居るとか?・・ん、淳まさかだけどマンションの場所まで忘れちゃったんじゃないよね?」
「・・うん大丈夫、場所は分かるんだ、昨日もマンションの前まで行ってみたんだが、どうしてもIDが思い出せなくて・・」
「ホント⁉ 疑ったりしてゴメン、でもあの時の私は、淳に新しい彼女さんでも出来たんだと思った。だから離婚を言い出したのかなって」
「そんなことないよ、今でも風美のことは好きなんだもん」
「だったら、どうして『別れよう』なんて言い出したのよ・・幾ら理由を聞いたって『訳は聴かないでくれ』なんてカッコつけちゃってさ」
「・・・・・・」
「じゃ、マンションの前で」
驚愕です!朝田部長のワクチンは、なんと蒲池看護師に接種してもらっていた。
「そうかね君・・ウチの三浦君の知り合いだったんだ、それならそうと去年のインフルの時言ってくれりゃよかったのに、え~と・・蒲池君だったよな、いやホント失礼した」
朝田は蒲池の首からぶら下げているネックストラップを再確認していた。
「いいえ、失礼だなんてとんでもございません」
「どうだね、お詫びの印に一度、飯にでも付き合ってくれんかね」
「有難うございます」
三浦はその日の朝田の予定が終了すると高橋専務の言語については『曜日の錯覚』と表して秘書課・秘書室への報告書の提出を済ませた。
その後社員食堂で軽い食事を摂り、かつて蒲池と生活を共にしていたマンションに向かった。
蒲池はエントランスの外にあるベンチに腰かけていた。
最初のコメントを投稿しよう!