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アンが人間界に降りていったころ、人間界は夏真っ盛りでした。
「わあ! 人間界って暑いのね! 人間さんに、冷たいお菓子を食べさせてあげましょ!」
しばらく街をさまようと、かき氷屋を見つけました。まさに今、かき氷を食べるかどうか悩んでいる女の人がいます。
「よし、早速やってみよう!」
アンは女の人の耳元まで行きました。お菓子の妖精は小さいので、人間にはなかなか気づかれません。そして、アンは早速呪文を唱えました。
「『食べちゃいなよ!』」
女の人は、すぐにかき氷を注文しました。
「やったあ!」
気を良くしたアンは、どんどん呪文を使いました。コンビニのアイスを見ているお兄さんに、「食べちゃいなよ!」レストランでデザートのパフェを食べようか迷っている高校生に、「食べちゃいなよ!」アイスの自販機の前にいるおじさんに「食べちゃいなよ!」
アンの呪文はよく効いて、人間はたくさんお菓子を食べました。アンはすっかり満足し、一ヶ月後、お菓子の国に月間報告に帰りました。
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