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(お前のせいで遅くなったんだろ、ばか)  私はこう思ったが、片岡くんの言葉を断る元気もなかった。  仕方なく会社をでて、電車に乗り、二人で夜道を歩く。 「僕って、昔から不器用で何やっても失敗しちゃうんですよね」 「うん、だろうね」 「先輩の力になりたいのに迷惑かけてばっかりで……」  ほんと迷惑かけられっぱなしだよ。 「先輩禁止って言ったでしょ」 「すみません!」  その時だ。ぽつぽつと強い雨が急に降り出した。
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