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お部屋の中でぼくの首をしめていた、たっちゃんを見てママが大声で泣き出した。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ママはまるで赤ちゃんみたいに大声で泣いていた。ママのお化粧がはげ落ちちゃうくらいにたくさんの涙を流していた。
「達也さん! その子はあなたの息子なのよ!」
ママは怒りながら、たっちゃんを叩いていた。たっちゃんは、パシパシ叩かれながら、ただ「ウーウー」ってうなってた。
「しんちゃん、説明して! パパになにをされたの!? なんでしんちゃんはパパに首をしめられていたの!?」
ママは泣きながらそう叫んだんだ。
「ママ泣かないで! たっちゃんは、なんにも悪いことなんかしていないよ! ただふたりで遊んでいただけなの!」
ぼくはひっしにそう叫んだんだ。
「なんで嘘をつくの! そんなはずないじゃない! しんちゃん!」
「だってぼくはただ、たっちゃんと希望戦隊チョーゼンジャーごっこしてただけだもん!」
なぜだか、ぼくも泣いていた。
「しんちゃん! 本当のことを言ってよ! もしこの人が私の大切なしんちゃんのことを傷つけるんだとしたら……私はこの人を施設に預けるわ!」
ぼくは大きく首を横に振った。
「やだよ! そんなのぜったいやだよ! ぼくはたっちゃんのことが大好きなんだ! ママのことも大好きなんだ! だから、だからぜったいにずっーーーと3人で一緒に暮らすんだ!」
ぼくは心からそう叫んだんだ。だけどママはずっーーーと泣き続けていた。
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