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適当な言い訳じみたものを言い放つと、僕はその場から去っていき、もう二度と彼女に会いませんようにと髪のいない世界に祈りながら歩いて行った。
だが一つだけ、彼女は彼女では無いという確証を得れた。
なぜなら彼女からは仄かに金剛石の香りがしていたらから、まっすぐで疑いもせず綺麗な目をしていたから。
だからとはいえ、自身の秘密を話すものか。
その秘密が既に致死量を超えながらも、生きているという事実をひた隠しにするように、僕は包帯の隙間から輝かせた結晶病を閉じ込めた。
既に死人であり、世界で最初に罹った人類最初のこの病の患者であることを全てひた隠しに、世界がこうなった原因を知っていながらも、僕のその重たい口は開くつもりはなかった。
それが例えどのような地獄であろうとも、僕の口は開くつもりはなかった。
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