きらきら

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 ギラギラ、と輝く鏡の破片に、俺はそんな事を言いながら、小川のように流れる紅い体液を眺めながら、黒い影に染まっている蛇口を捻り、顔を洗った。  手についた体液を洗い落とさず、顔を洗い始めると、じわじわと鈍い痛みがその体液を通り伝わる。  そのような痛みを我慢するように、顔を洗い、飯を食べ、歯を磨き、傷付いた腕に包帯を巻き、出る準備を終わらせる。  小さなリュックサックを手に持ち、適当に味気の無いノートと本、筆記用具を乱雑に入れると、俺はそのまま小棚の上に置かれている小さな鍵を手に取ると、軽い音を鳴らしながら、部屋を出ていく。 『~~~~!!』  部屋を出ると、外では元気よく子供の声(ゆめ)が聞こえ始めるが、僕にはそれを聞いても何も思わなかった。  何も言わず、何も行わず、何も変化しない様な平凡で、平坦な生き方をただ毎日のように、僕の体は実行し続ける。  目を閉じる行為も、耳を塞ぐ行為も、口を閉める行為も、毎日のように繰り返す。    ズキンッ、ズキンッ、  痛い、先程からずっと腕が痛む。  傷付けた傷口が徐々に強くなっていく、今までの痛みが更に強くなるように、僕の事を苦しませ、誰よりも重く苦しいものに変えていく。  今頃かよ。  そんな気持ちが漏れながらも、必死に強くなり広がる痛みを痛みを抑える様に、強く自身の腕を握りながら目的の学校に向かっていく。  そう、向かう。向かうはずなんだ。  毎日と変わらないいつもの街並みに、僕はふと視線を上げる。  視線の先にあったのは、街を包む色とりどりの大きな鉱石。だがいつも見ている街並みの光景でありながら、書籍にの載っている従来の街並みの姿ではなく、どことなく退廃的で見ているものの気持ちを疎ませるような物を感じさせる。  ビルや一軒家などの建築物から、高速道路や橋、線路と言った公共交通機関の道まで、辺りにはいやという程の大きな罅が走り回っており、中には建築物から突き出る様な巨大な鉱石たちが目に入った。  苔や蔓が街の中で蔓延る中、飛び出た鉱石はまるで、建物や街に一つのドレスを着飾らせているような物を感じさせた。
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