きらきら

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 大きな声で語る彼女に、僕の腕はミシミシ、と音を鳴らす。引きはがそうにも彼女の力がどうにも強く、簡単に話してくれそうにはない。その証拠にミチッ、ミチッ、と食い込む音が鳴る。その音が比例するように、僕自身の体の痛みが増していく。 「………………やっぱり、どこかで」 「っ、無いです。諦めてください! これ以上、貴方と話す時間はないです!」  痛い。苦しい。もうこれ以上、関わりたくない。  関わる必要はない。  そう判断し、無理やり引きはがすように彼女の腕を思いっ切り振り払おうとすると、僕の頭の中に急に情報が流れ込んでくるような感覚が走る。 「っ!!!」 「ど、どうかしたんですかっ!!?」  急な僕の苦しむ様子を目の前にで見ていた彼女は急に慌てながら僕の周りをぐるぐるとしていたが、今はそんなことはどうでもいい。ただ今は頭の中に入り込んだ濁流をどうにかしたかった。今すぐにでも逃げ出したかった。 「だ、大丈夫です」 「け、けどっ!」 「別にいいだろ!!!?」 「!!?」  ………しまった。  痛みと彼女を見ていた苛つきで、つい大声を上げてしまった。  触れて着ようとする彼女の腕を弾くと、僕は震える頭を抑え、足を進める。 「あ、あの!」 「………」  すると、声がかかる。  彼女の声は頭の中でガンガンと響く。まるで鐘の音を大音量のヘッドホンで流しているかのような感覚だった。耳に悪い死、頭にも悪い。もうこれ以上は勘弁してほしいと思う程。 「もしかして、鉱石病ですか⁉」 「………」 「鉱石病なら見れます‼」  鉱石病。確かにそんな名前かもしれない。  罹った人間からしたら、どっちも一緒だ。  だがそれ以上に僕は、体を強く硬直させた。  なぜなら、彼女はこの世界での禁句を述べたから。治せる? 見れる? そんな事をはどうでもよい。  この病を宿しているだけで、差別の対象だ。醜い人間の集団心理が、社会を守るためではなく、ただの個人の安全の為にと言うわけでも、ただ差別し、見た隠しされている嗜虐心を満たすがために、人の事を追い詰めてくる。  だからこそ、そのような言葉は人の事をどのような物であろうとも苦しめる。  心臓の鼓動が飛び出るかのように、跳ね、意識を鋭くし、彼女のことを見てしまうが、これら全てが自身の冷静さを失わせていることに気付くと、すぐさま、その視線を落とす。
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