名前

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―誰だ…?隣の…その人は…。 『…大丈夫?震えてるけど』 ―…震えてる?僕が? …自分の手を見てみる。確かに僕は震えていた。もしかすると「怯えている」と、そう言った方が正確かもしれない。 ―きみの隣にいる人は『大人』だ…よね…? 怯えないわけがない。大人は怖いのだ。何をしてくるか分からない。 僕を見つけたら殴ってくる、蹴ってくる 大人とはそういうもの。 ―きみが連れてきたからとはいえ、僕に何をしてくるか分からない。  離れないと…! 僕は後ずさる。逃げれるように。 『…大人が怖いのね?』 怖い…少し違う。 …同じ意味かもしれないけど怖いんじゃない、『恐ろしい』んだ。 『前の私と同じね…』 ―僕と…同じ…きみが…? 『でもね、大人って怖くないわよ。あいつらとは違う、すごく優しいわよ。』 耳を疑った。 ―優しい…?大人が…? 『とにかく一度私がいる家に今から一緒に来ない?』 … きみの言葉に声を出せない僕はうなずいて、きみについていくことにした …隣りにいる大人におびえながら。
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