中途半端と幸せ

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今日が昨日になり、明日が来る。そんな当たり前に嫌気がさした。 中学生が考えるような戯言にとらわれ続けている26歳。中途半端な夢を持ちながら社会の輪にも属したがる。いつもどこかで自分に満足できない。けど厳しく自分を律するのは嫌い。 明日からは変わろう。1週間に3回ほど行うこの決意はいつかのシャボン玉のように脆い。本当は分かってる、そんな自分に酔っていることを。きっと僕はこれからも当たり前を嫌がり続けるのだろう。 ••• 「懐かしいなぁ」 「これパパの昔の日記〜?」 「そうだよ、恥ずかしいな」苦笑いで答える僕は今幸せなのだろうか。 中途半端に抱え続けた夢はまだ背負ったままだし、背負うものも半端な夢だけではなくなった。 「ねぇ、幸せってなんだと思う?」 「まーた始まった、パパの哲学の時間」 妻はいつも通り苦笑いだ。 「ねねは今日楽しかったよー!るりちゃんとたけるくんとね、公園で...」 僕は今日を楽しんだのだろうか?今日もいつも通り社会の輪として生きて家に帰ってきた。 「ねー、パパ聞いてる??」 「だめね、こうなったパパにはこちょこちょしかないわ!」 「あはは、パパ変な顔」 あー、そうか。僕は娘が大きく口を開けて笑う姿を、妻が控えめにくすくす笑う姿を見ていたい。 「また今日を生きたいな」
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