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 「これは星弥のノートだ なぜ君が持ってるの?」  泣きながら聞いた  星弥の死を知ってから俺は空っぽになった 暫く何もできなかったし 家に閉じこもっていた時期もあった   「答えてくれ なんで君が」  ずっと聞きたかった なぜ星弥は死んだのか 誰もそれを教えてくれなかった  俺は星弥と別れた日以上に泣いた  泣く俺を彼女は抱きしめた  「ごめんなさい もうやめましょう あなたの中に彼は生きていた」  そう言って彼女も泣いた  二人とも涙が止まるのに暫く時間が必要だった  彼女はずっと俺を抱きしめてくれていた  「話してくれる?」  俺がそう言うと彼女は  「聞いてください」  と言い 上着のボタンを外し始めた  先程見えた彼女の胸の大きな傷痕が露わになった  彼女は話始めた  「星弥さんは病気だったんです 中学に入った時から自分が死ぬことを知っていたそうです そして私も生まれながらに心臓に欠陥を抱えていました 誰かの心臓を移植しなければ私は生きられなかったのです 今私が生きているのは星弥さんの心臓のお陰です」  そう言うと彼女はまた泣き出した  「私と星弥さんが初めて会ったのは星弥さんが中学二年の時です 本来臓器を提供するドナーと受けるレシピエントは接触が禁止されています しかし星弥さんは伊野グループの力を使って私に会いにきたのです あれは紅葉に染まる秋のNYでした」  そう言って彼女は俺の知らない星弥を語り始めた
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