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 安堵した。浮気の告白みたいな、僕の心配するようなことは何も書かれていなかった。むしろ、僕と出会った時の記述はとても印象的だった。  その日は大学祭。写真部の友達の作品を見ようと、部の写真展の会場となっている教室を彼女は訪れたのだが、ちょうどその場で受付を担当していたのが、新入部員の僕だったのだ。一目惚れに近い状態だったらしい。その後は同じ部の彼女の友達を通じて、僕らは親しくなっていった。  出会った時の光景が、鮮やかに脳裏に蘇ってくる。思わず僕は「彼女」に語りかけていた。 「美由紀、僕もそうだ。君の姿を初めて見た瞬間、僕は君に心を奪われたんだ……まさか、君もそう思っていたなんて……」  涙が次から次へと溢れてくる。  ややあって、「彼女」が応えた。 『あなたのおっしゃることの意味が分かりません』 「……ふっ」  苦笑が漏れる。そうだよな……ボットには分からないよな……教えてやらなきゃ……  だけど、こんな気持ち、言葉だけではとても説明しきれない。  そうだ。  僕の脳裏に蘇ったあの時の光景を、絵にしてみよう。そして「彼女」に入力しよう。いや、3Dのモデリングデータの方がいいか。そっちの方がコンピュータには扱いやすい。 ---
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