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「私も、飛鳥くんが好き」
「南波ちゃん……」
「私を飛鳥くんの彼女にしてください」
まっすぐと飛鳥くんを見つめる。
私の言葉を聞いた飛鳥くんの瞳からは、ポロポロと、きれいなひと筋の涙のしずくが流れ落ちた。
嬉しさと、いろんな気持ちがごちゃ混ぜになって、思わず飛鳥くんを抱きしめる。
すぐに、飛鳥くんの両腕が私の背中に回されて、お互いの体がギュッと近くなる。
飛鳥くんの体温と、シャツからするやわらかい柔軟剤のかおり。
私の心臓の音が飛鳥くんにまで聞こえてしまいそうなくらい、バクバクと脈打つ。
「好き」
耳もとで、そっとささやかれた2文字。
ずっと言われたかった言葉。
最初は、それぞれ別の相手から言われることを望んでいたひと言だけど、今は違う。
何度でも、伝えたい。
「私も、好きだよ」
好きって言われたい。
飛鳥くんが、そうこぼしたことから始まった、私たちの同盟関係。
それぞれの恋が叶うようにって思っていたけれど、いつしか私たちの矢印はお互いに向いていたんだね。
好きって言われたい同盟は、今日で終わり。
これからは。
「「恋人として、よろしくね」」
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