After story

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私たちは関係性は、あれから恋人へと変わった。 2年生になって、史と彩月ちゃんとはクラスが分かれてしまったけど、私たちは今年も同じクラスになることができたんだ。 学年が上がった今は、こうして時々屋上へとこっそり隠れて遊びに行く。 「あっという間に、1年経っちゃったなぁ……。去年の今頃が懐かしい」 「南波と付き合い始めて、そろそろ1年経つんだね」 変わったのは、私たちの関係性だけじゃなくて、呼び方もなんだ。 付き合って数ヶ月は、お互いそれまでのように、南波ちゃん、飛鳥くんって呼び合っていた。 だけど、いつからか南波、飛鳥って、どちらからともなくそう呼ぶようになっていった。 呼び捨てになってから、もうかなり経つけど、未だに自分の名前を呼ばれるのは、ドキドキするし、なんだか恥ずかしい。 それは相手も同じだったみたいで、私が名前を呼ぶ時は、少しだけ耳が赤くなって、照れくさそうにはにかむ姿は、かわいいなって思ってしまう。 ふと飛鳥の方へ向けると、パチっと目があった。 「南波」 優しくほほ笑んだ飛鳥に、名前を呼ばれる。 なんだか耳もとがくすぐったくて、こそばゆい。
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