After story

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「こっちおいで」 両手をバッと広げた飛鳥の元に、ゆっくりと近づく。 それと同時に、飛鳥の手がギュッと私の背中へと回されて、やさしく抱き寄せられる。 「好きだよ」 1年前の私たちが、別々の相手から言われるこを望んでいたことば。 でも。今はちがう。 飛鳥に、好きって言われたい。 飛鳥から言われる好きってことばは、何よりもあたたかくて、やわらかくて。 同時に、言われるたびに私も好きって気持ちが大きくなっていくんだ。 「私も」 「も〜……ちゃんと言ってよ」 こんな風に、ワザと言わないで焦らしてみると、飛鳥は口をとがらせてすねたフリをする。 その様子が、かわいくて時々イジワルしちゃうんだけどね。 「じゃあ、なんて言えばいいの?」 「好き……。好きって、言われたい」 「飛鳥のこと、大好きだよ」 「僕も……南波のこと大好き」 好きって言われたい同盟は一応解散だけど、この気持ちは変わらないまま。 今は、君に好きって言われたい。
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