産みの母と育ての母

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翌日日曜日は会社が休みで朝なかなか起きることができなかった僕は、10時頃やっと起きてリビングに足を運んだ。 すると母が話しかけてくれた。 「弦輝、実は弦輝を産んだお母さん見つかったのよ!  弦輝のお母さんは、市内の『家路』というスナックで働いているみたいなのよ!」 その話を聞いた僕は、過去に戻って見た僕を捨てた母の顔に、なんとなくスナックのママさんの面影があると感じた。 僕は翌日から普通に会社に出勤して、その週末金曜日に1人でスナック『家路』に顔を出した。 スナックのドアを開けるといつものように冴さんが、 「げんさん、いらっしゃい!」 と笑顔で迎え入れてくれた。 この日の僕は少し緊張していた。 それは、今日はママさんに真相を確かめようと決意してきたからだ。 冴さんはいつものようにカウンターの席に案内してくれて、さっそく冴さんは僕がキープしている焼酎のボトルを用意してくれて、コップに焼酎の水割りを作ってくれた。 少しするとママさんも店の奥から出てきて、 「いらっしゃいませ!」 と挨拶してくれた。 僕はママさんと冴さんに、 「お2人も飲んでください。」 と伝えて3人で乾杯した。 少しするとお店に別のお客様が入ってきて、冴さんがそのお客様の接客にまわった時、僕は今話すしかないと思ってママさんに話しかけた。 「つかぬことをお聞きしますが、ママさんはお子さんはいらっしゃるのですか?」 するとママさんは少し驚いたような顔をして、 「何故、そのようなことを聞くのですか?」 と質問してきたので僕は、 「少し興味があってお聞きしました。」 と少しはぐらかした。
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