産みの母と育ての母

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ママさんは年齢的には僕のお母さんくらいの年齢で、温和で優しくて僕によく気を使ってくれる。 冴さんは僕より1つ年下で、明るく陽気で元気な女性だ。 この日はママさんから、 「今日は、どちらかで飲んでこられたのですか?」 と聞かれたので、僕は会社の同僚から誘われて居酒屋で飲んできたことを話した。 僕は今までママさんの個人的な話を聞いたことはなかったけれど、この日の僕は、 「ママさんは、出身はどちらですか?」 と聞いてみると、 「産まれも育ちも静岡なんですよ!」 と答えてくれた。 逆にママさんから、 「げんさんは、出身はどちらですか?」 と聞かれたので僕は、 「産まれた場所は、正直わからないです。  実は僕は捨て子で、静岡の児童養護施設で育ったんです。  6歳の頃に里子として養子縁組して今の両親に育ててもらいました。  父は2年前に天国に旅立っていて、今は母と僕の2人暮らしです。」 と正直にいきさつを話した。 するとママさんが、 「そうだったんですね!  げんさんは、大変だったんですね!」 と言葉をかけてくれた。
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