産みの母と育ての母

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「弦輝がいやだったら、興信所の調査はやめるけど…」 僕が沈黙してしまったのを気にしたのか、母が心配そうに言葉をかけてくれた。 「いやじゃないけど、お金大丈夫?」 母は僕が別のことを心配しているとわかると、 「お金は大丈夫だよ!」 と少しほっとした表情で答えてくれた。 「もう少し続けてみるね!」 母の言葉に僕は、 「お母さん、ありがとう!  僕の産みの母がわかっても、僕はお母さんのことを本当の母親だと思っているからね!」 と正直な気持ちを伝えると母は少し涙を浮かべながら頷いた。 食事を終えた僕は、何か面白いことはないかと自分の部屋でインターネットのSNSを覗いていた。 するとある記事が話題になっていた。 その記事というのは、過去に戻ることができる機械が実験を終えて実用化されることになり、お客の募集が始まったという記事だった。 さっそく僕は、その記事を掲載しているインターネットのホームページを覗いてみると、『時間旅行社』という旅行会社であることが分かった。 この旅行会社のホームページを見てみると過去にタイムトラベルできると書かれていた。 僕は興味があって、翌日土曜日は会社が休みだったため、さっそくその旅行会社を訪ねてみることにした。
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