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オレは白い粉で目をやられたらしく、周りの様子は分からないが、ただ群衆の盛り上がる声だけが聞こえた。
---オレ、やられたのか…?
呆然とその場に立ち尽くすオレ。
オレの今まではなんだったんだ?
---もうオレの足、一歩も動かねえや。
緊張の糸が切れたのか、立ち尽くすオレの頬に、暖かいものが溢れた。
すると、それまで喧騒に包まれていた一帯に、再び静寂が訪れた。
そして次に聞こえてきたのは、
「こっちだ」
「もうちょっとだ」
と、手を叩きながらオレを励ます組の仲間達の声。
へへっ、どうやらこんな負け犬でも、暖かく迎えてくれる奇特なやつらがいるもんだ。
オレはその声に導かれるかのごとく、一歩一歩、まるで地面の感触を確かめるように歩き始めた。
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『ゴーーール!紅組、5年生の山田くん、障害物競走、無事ゴールしました。
網くぐり、平均台、風船破りまではダントツのトップだったのに、最後の飴くい競争でまさかの最下位転落。
“飴は甘かったけど、勝負は甘くなかった…”
そんなところでしょうか。
それでも頑張って最後泣きながらゴールした山田くんに盛大な拍手をっ!』
うるせーよ。
終わり
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