麦わら帽子

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「お~い!麦わら帽子探すぞ!うさぎが付いてるって!」 「ほ~い!」 離れて見ていた勇人と智哉に言うと、二人の返事が聞こえた。勇人が女の子に近付き聞いている。 「名前は?」 「まほ」 「まほちゃん、靴は?」 見るとまほちゃんは裸足だった。 「くつ?」 ともだち?と聞き返した時と同じ様に首を傾げた。 「あっ!お母さんにバレない様に来たのかな?」 智哉が聞くとまほちゃんは黙って頷いた。 少しの間探しても見つからないので俺はまほちゃんの事が心配になり。 「まほちゃん、お家何処?」 まほちゃんは黙って指を指した。その先を見ると公園入口にあるアパートを指さしている。そのアパートは6世帯ある様で2階の真ん中の部屋だけ明かりが点いていた。 「あの明かりが点いている部屋かな?」 まほちゃんは黙って頷いた。 「まほちゃん、お母さんが心配するから、麦わら帽子はお兄ちゃん達探して見つかったらドアに掛けておくからお家に帰ろうか」 三人の内、誰かが送ろうと思って言ってみたが、まほちゃんは又黙って頷いきクルリと後ろを向いてアパートに向かい、少し離れた場所で探している智哉の前を通り走って行ってしまった。 「変わった子だなぁ……えっ?」 勇人がまほちゃんが走って行くのを見ながら何か驚いていた。 「どした?」 「い、いや。……さっ、探そう!」 何かを振り切る様に探しはじめていた。智哉はまほちゃんを目で追っていた。 暫くして智哉の声がした。 「あったぁ~っ!」
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