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序章 選ぶ書店と選ばれる客。
あなたは知ってる? 選ばれた人だけしか行くことができない書店があるって噂。
え? 知らない? でも、興味はある?
その書店にはね、世界に一冊しかない本がたーくさん、あるんだって。
え? そんな本、どうせ古くて汚いだろうし、そもそも高すぎて買えないって? あ、そういう本は置いてないらしいよ。
世界に一冊しかない本って言っても。古くてもう世界に一冊しか残ってない本とか、あんまり売れなかった本とか、そういったものじゃなくて。
その書店にある本は、みんな自分の意思を持ってるんだって。そこで自分を大事にしてくれる持ち主を待ってるらしいよ。
本が自分で持ち主を選んで、書店に呼び寄せてくれるってウワサだよ。
行ってみたい? でもね、誰もその書店への行き方を知らないの。
その書店にたどりつけるかどうかは、その人次第ってことだろうね。だって、本に選ばれなきゃ、たどりつけないんだもの。
いつか運が良ければ、その書店があなたの目の前に現れるかもしれないね。
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