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翌朝、
いつもの電車に
彼は
いつも通り乗っていた。
昨日の気まずさは
自分だけのものなので
気にする必要もないのに
なんだか
気にしてしまう。
そんなときに
限って
その日の電車は
妙に混んでいて
電車が止まる度の
乗り降りの流れで
気が付くと
私は
彼の隣りに立っていた。
別に大丈夫、私は何もしてないじゃない。
自分に言い聞かせ
涼しい顔をしていなくては、と
顔を作りつつ
全身で隣の彼を意識していながらも、
決して隣を見ないようにと
不自然なくらい
前の窓を見つめていた。
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