episode.1

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彼にしては 珍しい場所だった。 いつもの彼は 座席前の吊り革に手を添えて 立っていたから。 到着した電車に乗り込む時に 予想外の位置に居た彼に 私は あろうことか 思わず 「あ」 と 声を上げてしまった。 とても小さく、だけれど それほど 驚いてしまったからだ。 あまりにも 不意打ちで 取り繕えなかった。 本当に、私はなんてバカなんだろう。
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