変化

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やっと大人になって少しはまともに話せる様になって結婚出来たのに、実はそういう行為を緋色は嫌なんじゃないかと考える様になって、手が出せなくなった。 噂が本当だとしたら、緋色は母親に売られたかもしれなくて、そういう行為は嫌なのかもしれないと考え出して、触れない様にしてた。 お店の女の子でもいいし、緋色が嫌な事はしたくないし、いてくれたらそれで良かった。 はっきりと拒絶されてやっぱり嫌なんだなって思った。 緋色が楽になるなら、お互いに恋人を作ろうって言った。 どんな形でも一緒に暮らす夫婦でいられたらそれで良かった。 「指輪を置いて、離婚届を置いて………着信拒否。嫌われてんのかな。全部俺の考え過ぎで夫として嫌われていただけなのかな。どうせ嫌われるなら…もっとやっときゃ良かった。」 情けない事に床の上に座り込んだまま、暫く泣いていた。 恋人を作り、緋色に触れられなくても、家に帰って緋色がいておかえりなさいと言われると溶けそうに嬉しかった。 最初の頃は緋色に触れられるだけで興奮して、乱暴にしたりして反省してを繰り返して、いつも緋色の顔色を気にしてた。 同棲を始めてからも緋色はあんまり、行為自体は好きではなさそうで、我慢出来ない俺に仕方なく付き合ってくれているのだろうなと思ってた。 仕方なく、だとしても、無理に合わせないと言い切った緋色が俺に合わせてくれていると思うと嬉しかった。 後悔ばかりが胸を貫く。 ずっと好きだったと言えば良かったのか、緋色は嫌でも俺は毎日緋色に触れたくなると、我慢出来ないから手を出しそうだから、他の女の子と浮気してたと、抱かせてくれたらしないと素直に言えば良かったのかな。 そんな事ばかりを考えて過ごした。 そして俺は高校時代の様に、緋色の会社に行ったり、ばったり会えないかなって緋色がいそうな場所に行ったりして、彼女を探していた。 緋色の会社が建てている現場近くをウロウロしたり、現場の人を捕まえて、 「ここの施工管理って女性ですか?」 と聞いたりした。 今時、女性の施工管理も少なくはあるが割といるのに。 実家もない緋色が翌日には居なくなっているとは思わなかった。 多分、恋人、だろうなと思う。 ここ暫く、綺麗に化粧をして出かけたりしてたみたいだし、映画の券がゴミ箱に捨てられてたり、一人で行くタイプじゃないし、きっと恋人の家に居るんだろうなと落ち込むばかりだった。
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