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1、お互いの恋人が出来たら、別れたら報告をする事。
但し、相手のことは聞かない。
2、家の事、双方の実家に関しては優先する事。
3、恋人の事を家に持ち込まない、また、この家は二人のテリトリーであり、そこに恋人を入れない事。
4、恋人へ使うお金は自分の使える範囲で行い、家への影響を出さない事。
5、恋人に関してパートナーに迷惑を掛けない事。
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その書かれた紙を見て呆然とした。
今まで浮気をしているのは知ってた。
今の仕事はやってみたいと思っていた仕事で、初めて大きな現場を任されて、しかも一人で、少し遠い現場で余裕もないから近くのビジネスホテルに1ヵ月泊まる事にして、そこと現場と会社を往復していた。
まだ半年前の話だ。
1ヵ月振りに帰り、心身共に疲れ切っていた私は久し振りに慣れたベッドで眠りたかった。
しかし奴は、1ヵ月、浮気もせずに待っていたんだとばかりに求められた。
拒否をした。
疲れてる、眠りたい、いつも相手は他にいるじゃない、どうして今日に限って私なの、そんな風に言ったと思う。
奴の傷付いた様な顔を見てしまった後で後悔したけど、出た言葉は戻らないし、浮気は本当の事だ。
私が気付いてないと、その場限りの相手と繰り返し楽しんでいたのは事実だ。
それ以来、指一本、触れてこない。
だから、一夜限りの相手を探す事も面倒になったのかもしれないし、好きな人が出来たのかもしれない。
いつか別れようと言われるのだと、その日をこの半年間待っていたのに、その結果が、「新しい夫婦関係」…………何じゃそりゃ!である。
それでも私はそれを認めた。
意地と言いたくない言葉と離れたくない気持ちと僅かな希望と……好きな相手と上手くいかなかったら、また向き合ってくれるかも、触れてくれるかも…そんな淡い淡い希望を期待したのだった。
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