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エピローグ
新しい物を使う瞬間、ドキドキする。
大抵は幸せを感じたり満足感で満たされる。
「部屋に入れるとお店で見たより大きく感じるわね?」
配達され、寝室に入れられたでかいベッドを見ながら、寝室のドアの所で壁に寄り掛かり、緋色は少し呆れ顔でリビングにいる源基に顔を向けた。
源基はいそいそと荷物を片付けている。
それはもう…嬉しそうに…。
源基が使っていた部屋はリビング横に面した大きな12畳の洋室で、緋色が使っていた部屋は、リビングを出た廊下のすぐ横のドアを開けた8畳の洋室だった。
それぞれを自室としてベッドを置いて使っていたが、源基が大きなベッドを買い、自室を夫婦の寝室兼着替え置き場とし、緋色の自室をお互いの仕事部屋として、小さめの机が背中合わせで置かれて、それぞれ共通の動く本棚を入れた。
「新しい夫婦の形」はお互いの仕事に協力し、生活に協力する事。
そんな風に前とは違い、新しい生活仕様も新しいベッドも、それなりにワクワクして幸せを感じて満足感で満たされている。
ただ一つ、舐めていたのは奴の体力と変態振りかもしれないと、最近、緋色は思いながら、今日も少し溜息を吐きながら帰宅するのだった。
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