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鳴り響く電子音に彼は飛び起きた。
ベッドの横の心電図がフラットになっている。
慌ててコールを押している間に、看護師と医師が部屋に駆け込んできた。
直ぐに蘇生を始めるために後ろに押し出される。
足がへたって、座り込みそうになる。
彼は茫然と管だらけの妻を見下ろした。
「頼みます・・先生!助けてください!」
体が意識せずに細かく震えてくる。
「駄目だ‥駄目だ‥逝かないでくれ・・独りにしないでくれ・・。」
生まれて初めて彼は神に祈った。
やがて医師は首を振って、彼女から離れた。
「ご臨終です」
彼は震える手で、妻の頬に触れた。
未だ温みの残る頬に、彼の口から叫びのような慟哭が漏れる。
死亡時間を告げた医師と看護師が深く頭を下げ、静かに部屋を後にした。
「僕は・・どうしたらいいんだ・・。君がいないと・・僕は・・」
彼は包帯に包まれた妻の頭を優しく撫でた。
「心から愛していたよ。君だけを」
涙がとめどなく溢れる。
もう、生きて行く意味なんて何もなくなった。
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