ある日のこと

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ある日のこと

「ねえ、覚えてる?」 「何をだい?」 「ほら、前に言ってくれたじゃない」 「前に?どれかなあ~、たくさん有り過ぎて」 ――んっ?たくさん?   付き合いだしてまだ日も浅いのに、そんなにある訳ないと思うんだけど?   もしかしたら、話の先を察して逸らそうとしてるのかしら?  頭の良い彼のことだ。それも考えられる。でも、 ――まあ、いっかぁ  目的を果たすためには、要らぬ勘繰りで引っ掛かっていては前に進めない。そう思い、女性は思い切って話すことに。 「ほら、この間海の見えるホテルのフレンチに行こうかって誘ってくれたでしょ。あのことだけど、私、ディスリーランドホテルがいいな。  あそこのレストラン美味しいらしいし、一度でいいから”美女と夜襲ルーム”に泊まってみたかったの。  それに、そこのテーマパークにも行ってみたいんだけど、ダメかなあ」 「ハハハ、何かと思ったらそのことね」 ――?? そのことって…どういう事?   そんな約束なんてしていないはずなんだけど  と女性は思う。
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