1人が本棚に入れています
本棚に追加
「宇宙人よ。私達の星の文明を滅ぼした侵略者が間もなく地球にやってくるのよ」
「え、何だって?」
「私達の種族の幾人かがあちこちの星に派遣されたことはこの前話したわよね。それぞれの星の住人達と協力して侵略者と戦うことになっているの。そして今度はこの地球に魔の手をのばしてきたと、しばらく前に私の同胞から連絡が来たの。それで私が目覚めたのよ」
「そ、そうかそうなんだ。わかった、できるだけのことは協力してやろう。それでどうすれば」
「行動するのは侵略者が来てからよ」
「そ、そうか。ところで、ぼくが記憶喪失だった時のぼくとも話をしたほうがいいかな」
「ああそうね。それでいつがいい?」
「今は他にすることがないから今すぐにでもいいよ」
「それじゃあすぐ始めましょう。いいわね、記憶を変えるわよ」
そのあとぼくは気を失ったみたいだった。
ふと、我に返った。
すぐ、女の子が叫んできた。
「あなた、私のことを覚えててくれたのよ。それで全面的に協力してくれるって」
一瞬、何のことかと思ったけど、少ししてすぐ意味を理解できた。
「そうか、もう1人のぼくがそのようなことを。それはよかったな」
「うん。あとは侵略者が現われるまで待つだけね」
「ところで、ぼく自身がもう1人のぼくと直接話をすることはできないかな」
「うーんそれはできないわね」
「そうか残念。それより、ぼく達が話してるところを記録とかしていないんかな」
「ああそれ、実はこれまでの出来事を映像に撮っているのよ」
「なあんだ。それなら早く言ってくれなきゃ。それで君がもう1人のぼくと話していたところも見られるの?」
「もちろんよ。今すぐ見る?」
「いやそれはあとでゆっくり見てみるとして、具体的にどうやって侵略者を迎え撃つんだい?」
「それについてはその時になってからあなたにも伝えてあげるわよ。まあ今は少しだけ教えてあげるわ」
そのあと、女の子の幻影の側に、別の存在が浮かび上がった。
「うーん小さくてよく見えないな」
「それじゃあ拡大して見せてあげるわ」
すると、それは少し離れたところに移動して、大きさが人間と同じ身長になり、床の上に立っている状態となった。
「おお、テレビでよく見るヒーローと似たような姿だ。こいつが戦うんだな」
「そうよ。これがあなたよ」
「え、これがぼく?あ、あわわわ」
「あれ、どうかしたの?」
「いや、女装マンガでよくあるセリフを言ってしまって」
そして、ぼく達は、その時が来るまで待つことにした。
最初のコメントを投稿しよう!