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アナザーメモリーヒーロー
「ねぇ、覚えてる?」
しばらく前から、毎夜見る夢の中で、小人か妖精のような存在が現われて、こうささやいてくる。
それがある日、現実となった。自分の目の前に、その存在がいるのを確認した。そしていつも夢で見ている時と同じように、ささやく。
「ねぇ、覚えてる?」
最初は自分が今眠っていると思ったが、よく意識してみると、夢の中ではなく、それは現実に起きている出来事であると認識することができた。
その存在は、自分が今座っている机の上にいて、身長が10cmほどしかなく、ざっと見た感じが人間の女の子で、全身が銀色でおおわれたような服装姿であった。
「ねぇ、私と会ったこと覚えてないの?」
女の子の質問に対し、自分はこう答えた。
「え?えーと・・・覚えてないなあ」
自分と女の子との会話が続いていく。
「え、覚えてないの?思い出してくれないと大変なことになるのよ」
「え?というか、いつ会ったんだっけ」
「そうねえ、30年は経つわね」
「え、そんなに?」
30年前といえば、自分が幼稚園の時である。
「いや、覚えてない。むしろ君みたいな異質な者と会ってたらそりゃ覚えてるはずだけどな。それより、君は何者なんだね」
「私、あなた達が言うところの宇宙人よ」
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