イロウスィヴグリーンメッセンジャー

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ネヒロネはキッチンでエプロンの紐を結んだ。 ネヒロネの住む地域では、女性はあまり暮らしていない。 久しぶりにネヒロネが見た女性は、目の前で倒れ込んでしまった。 倒れてしまった女性を外に放っておくわけにもいかず、家に運んで居間のソファに寝かし付けた。きっとお腹を空かせていることだろう。 ネヒロネは慣れた手つきで、野菜をカットし始めた。 乱切りのタマネギと千切りのジャガイモの炒めに、塩コショウのシンプルな味付け、隠し味に市場で手に入れたハチミツを数滴垂らす。 ビーンズとブロック状にカットしたニンジン入りの、自家製コンソメを用いたスープ。地味だけれども、優しい味。 バケットに、これも市場で手に入れた素朴な味わいのバターを薄く塗ってカリッと焼く。少しだけ水を振りかけておくのがポイントだ。 野菜中心の料理が一通り出来上がった。ネヒロネは一人暮らしが長く、料理には割と自身がある。あの女性は食べてくれるだろうか、とネヒロネは少しだけワクワクした。 目が覚めたら食べてもらおうと、ネヒロネは居間へと料理を運んだ。
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