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いつも農場で1人のネヒロネ――最近はアジガンダが一緒だが――は、たまに市場へ来ると、あまりの人の多さに驚く。
アジガンダも、人の往来に戸惑っているようだ。
「ここでは、何でも売っている。針も糸も布も、他にもアジガンダが欲しいものがあったら、何でも買うと良い」
「でも、私はお金を持っていなくて……」
「アジガンダは僕の服を直してくれるんだろ? 僕に任せてよ」
「分かった。完璧に直してあげる」
アジガンダはニッと笑顔を見せた。
「よし、決まりだ。僕は食材を見たいのだが、後で落ち合おうことにしないか? あそこに噴水があるだろう。あそこで待ち合わせとしないか?」
「そうね、そうしましょう。ネヒロネは、針を見ても分からないでしょうし」
「アジガンダも、食材のことは分からないじゃないか」
ネヒロネはアジガンダに硬貨を渡し、二人は一旦分かれて行動することにした。
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