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ノロケ話って面白い時と面白くない時あるよね
目がない?……物理的に?
「え、、?」
「ふふ。表情は見えないけれどその声は驚いているわね。ここから回想シーンよ。ノロケ話になるわ。ざっくり話して欲しいんでしょうけどしっかり惚気させて頂くわ。」
ウィステリア回想
どんよりとした曇りが続いていたある日
私は自殺した。
大好きなラベンダーを胸元に持ち、校庭を背に曇天を見上げながら落ちていった。
「きっと次は幸せが来る」
落ちている時、走馬灯こそ見ることは無かったけれど曇天はいなくなり目の前に青い空が広がった。
私の胸から舞い上がるラベンダーの花びらは星のように綺麗だった。
意識は途絶えた。
………
私は転生したらしい。
前世の記憶が戻ったことに気がついたのは鏡の前だった。
鏡には5歳くらいの女の子が映っている。
私の大好きなラベンダーの色の髪。少しくせっ毛ではあるけれど巻かずに済むのはありがたいし、私の顔結構可愛いい。
幸せを待ち望んでいたが私が転生したのは孤児だった。
貧しい孤児院に最近寄付された大きな鏡。シスターは食料や衣服等を望んでいたらしく、各々愚痴をこぼしている。
孤児の人数15人弱である。その中でも小さい子の割合が多くシスターも3人ほどで大変そうだ。10歳くらいになると国の負担で学校に入学することになる。その後どうなるのかは5歳の私には知らない。
貧しい生活でも決して前世よりは不幸ではなかった。
8歳になる頃には孤児が少し増えていた。私もシスターの手伝いで手一杯だったし理由はなかなか分からなかった。
お使いに行くと言って街の情報を得ようと思ったけど、買い出しはシスター達の息抜きになっているらしく断られてしまった。
10歳になり学校への入学が決まった時には孤児の人数が30弱となっておりシスターも増えたがかなり大変そうで行かないでと懇願された。
孤児院も孤児が増えてから国からの給付が増え貧乏から少し脱却はしたもののシスターの疲労は目に見えていた。
しかし、私も広い世界を見たかったため、学校への入学を決意した。というかもともと断れない。
孤児院は国の恩恵を受けていたけれど森の少し離れたところにある教会であったため学校の寮からそう簡単に顔を出せる距離ではなかった。
国民は10歳になると国の中にある大きな協会で固有能力を授かる。つまりユニークスキルである。
戦闘時においてユニークスキルの派生がその子の能力ということになる。努力次第ということだ。
例えば、ユニークスキルが「浮遊」だとすれば努力に努力を重ねた末に風魔法全般を操れることになる。
と思っている。考えや努力次第で他にも能力を伸ばすことが出来るかもしれない。要はイメージ次第。
大きな国であるため教会には私と同じ10歳の子がかなり集まった。
ユニークスキル自体は本人にしか告げられないのだがなんせ10歳なので自慢大会が始まる。お年玉の金額を張り合った方がよっぽど可愛げがあるのにと思いながら私の番が来た。
私のユニークスキルは「神眼」であった。神の目、、アニメオタクからするとかなりかっこいい。厨二病の頃であったら発狂ものだったと思う。
ただ、想像力に乏しい私からしたら「神眼」の派生が目からビームしか思いつかないのもどうなのだろう。
これはあまり他の人には言わない方がいいと思った。とりあえず入学に備えて教会に用意された4人1組の部屋で先に寝てしまった。
先に寝たにも関わらず起きるのはかなり遅かった。同じ部屋の子に起こして貰えたのは嬉しかったし入学式にもしっかり間に合った。
…………
……
…
私のフィアンセが出てこなくて困っているでしょ?
とことん私の回想シーンだからね。
まぁ、結構手短に話してはいるつもりだけれどね。
………
…
入学後もなかなか楽しくやっていたわ。私の髪の色が珍しくていじめてくる子もいたけど前世と比べたら楽なものよ。神眼も結構使えるし。
私の「神眼」の能力はね前も説明したけれど魔力の流れが見える。さらに、マナも見えるのよ生命の流れ?そんなものね。
そんなこんなで私が14歳の頃に名のある冒険者が高難易度の魔物討伐をクリアしてきたのよ。それでみんな憧れちゃったのよ、、。
死亡者多数
孤児倍増
学校への入学年齢引き下げ
かなり大騒動だったの。
国はいのちだいじにをモットーに政治を行ってきたけど中々収まらず1年が経ったわ。
国も動き出すのに1年ほどかかっているから計2年ね。
学校も入学年齢引き下げに対して対応に手一杯で休校とかかなりあったわね。
その分、私が外の探索に回していたのだけれど夢中になりすぎて夜になってしまったの。
でも、満月が綺麗だったわ。
早く寮に帰ろうとしたら感じたことの無いマナの反応があったのそのまま引き寄せられるように近づくと、国の結界と重なり合う結界があったのよ。
そのままその結界に入ったのだけれどそれからはあなたと同じ反応よ。
一本道を歩いていくと大きな邸宅。
わっくわくよね!
心の赴くままに扉を叩いたら筆舌に尽くし難いほどの恐怖に見舞われたの。
扉の向こう側には考えられないほどの魔力を持ったヤツがいる。
どす黒い色をしたマナ。
扉を開けた瞬間
私は本能的に目を潰していたわ。
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