俺は……主人公だよな……?2

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俺は……主人公だよな……?2

「はっ!」 俺は学校に遅刻する感覚に陥り飛び起きた。 …いや、夜じゃん。 お腹空いた…。一日半何も食べないで寝てればそりゃ腹くらい空くか。 怠惰…便利だけど何日もかかるスキル構築は俺が死ぬなぁ。 《36時間が経ちました。スキル構築を終了しました。》 《アンチ結界スキルLv10を獲得しました。》 お、スキル習得したか。 とてもステータスを確認したいが…やめておこう! まぁ、また明日確認してみるか…。 … …… ……… 寝られないッッッ! 異世界に来てからは模範的だと言っていいほど健康的に過ごしてきた。 何もやることがないからというのもあるがやはり心機一転健康的に過ごしてみようと何気なく気をつけていたのだ。 というのは建前で、俺が寝れば1話1話切りかえやす…いやなんでもない。 さて、寝られないなら外に出るしかないか。 この部屋には何も無い。割るような壺もない。 あれば割るのかと聞かれればノーコメントだ……。 部屋の扉を開けると握り飯とメモが置いてあった。 【お部屋に伺ってもお返事がないようでしたので夕ご飯はドアの外に置いておきますね。母も心配しているのでご飯を食べに降りてきてくださいね。ルーフス】 ……引きこもりに当てる手紙にしか見えない。 心配させたか。伝えておけばよかったかな。 そういえばあの子ルーフスって言うのか。 そんなことを思いながら外に出たが暗い。いや、街を飲み込んでしまうほど大きな月はとても明るかった。星などはもう見えない。 スーパームーンか?そういうのはわからん。 だが、街にしては暗い。明かりひとつない。 酒場ひとつないのだ。 まぁ、健全といえば健全。 そういえば俺はここのこと全く知らないんだよな。 普通だったらきっと情報収集が先で図書館とかに行くのだろう。そういえばそうだよな。 なんで図書館とか探さなかったんだ? 案内人の説明で【はじまりの街】位には認識していたんだが…。 《図書館に行く必要は無いかと思われます。》 「うぉあっ!」 思わず声が出てしまった。 図書館に行く必要は無い?どういうことだ? 《…図書館に行く必要は無いです。》 情報が得られるかもしれないんだぞ? 《情報…いりますか?なくても生きていけます。》 …あっ。 《あ、それです。そういうことです。この街の名前くらいは必要かと思われますがそれ以上の膨大な情報は必要ないと考えます。》 わかったわかった。 《では失礼致します。》 なら仕方ない。この結界から出ることが先か。 と、結界まで来てみた。 ヘンゼルとグレーテルみたいに印をつけておいたからまた突っ込む必要は無いわけだ。偉い。とても偉い。 今度こそ本当に大丈夫なんだよな!! 案内人信じているぞ!! ちょっと全身で突っ込むのは怖いから手だけ… … ……印は越えた。 行けたんじゃねーかぁ!? これで森に行ける! …?そういえばこんな一本道あったか? いや、結界に目がいっていて俺が見ていなかっただけかもしれない。 はっ!この先にイベントがある気がする。 主人公の感がそう言っている。 鬱蒼とした森林の間にこんなに綺麗な一本道は完全にホラゲ…… そんなことを思っていたが好奇心に負け俺はその一本道を辿ることにした。 …… 意外と長かった道を根気強く歩いた結果今俺の前には大きな邸宅がそびえ立っている。 見た目ホラゲだよ…… 可愛らしい女の子が誘い込まれるところだよ…… 俺でいいのかこれ…………??? 普通に怖いんですけど。 でもこれRPGだって考えるときっとお宝がある。 RPGだとな。RPGだと。 ここ一人で来るところじゃねーんだわ……。 入らないと話進まないの知ってるから入るけどさ!!! ちゃんと主人公補正ついているんだろうなぁ!? 信じてるからな!!?!!?、! ……門を手動で開けるところは怖くないな。 そこはキィィィ……って勝手に開くところだろ。 ……閉めても門開くわ。逃げられる。 勝ったな。 あとはこの邸宅の扉を開けるだk…… !? 俺……触ってない…。 俺は触っていないのに……。開いた……。 終わった。これホラゲだよ。 RPGだとしてもゾンビとか幽霊とか出てくるやつだよ。本とか画面越しだから全く怖くないけどあれマジで体験したら死ぬわ。 実力差とかじゃなくてショック死するよ。 ……あれ。 女の子だ。 ホラゲでこの邸宅に迷い込むような女の子だ。 目を瞑っている……? 「……あなた。」 「ひぃッッッ」 急に話しかけられたせいで情けない声を出してしまった。 「……こっち」 それだけ言うと女の子は背中を向けて邸宅の奥へ歩き出した。 「あ、ちょっ、、」 怖さと緊張のあまりさっきから情けない声しか出せない。 1人で取り残されるのも怖いのでついて行くことにした。 「ッッッ!こちらにいらしたんですか!?……の後…………て!私が…………たというものを!」 知らない男が女の子のそばまで駆け寄ってきて話しかけているけど遠くて聞こえない。 執事のような格好をした知らない男イケメンで腹立つな。 「……いの。」 いや、遠くて聞こえねぇ……。 何話してんだろう。 やっと追いついた……。 「貴方が……ほう……。」 え、なに?どした。 「いえ、失礼いたしました。こちらの部屋へどうぞ。」 談話室……? いや、わからん。洋館しらねぇわ。 「そこにお掛けください。」 雰囲気のある女の子の言われた通り真正面の椅子に座った。 「さて、質問しても宜しいですか?」 「あ、はい。」 「あなた……どうしてここに来られたんですか?」 「いやっ!そんなつもりじゃなくて!好奇心でこの邸宅に入ろうかなってっ」 「そうじゃなくてっ!どうやってこの屋敷を見つけたんですか?」 「冒険がしたいけどこの国の結界が邪魔でアンチ結界スキルを使い……」 と俺はここに来るまでの経緯を話した。 「ッッッ!?……理解しました。」 驚いたような顔を見せたあと眉間に皺を寄せ女の子はそう答えた。 「…………」 執事みたいなイケメンが耳元で話しかけている……。 少し殺気を感じるぅ……。 「チッ」 えっ!?今チッって舌打ちしたよね!? なんで!? 「はぁ……」 女の子も呆れてる!? 俺何かした!?
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