俺は…主人公だよな…!?3

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俺は…主人公だよな…!?3

「あの……」 俺は恐る恐る2人に話しかけた。 俺、何かしましたか?と聞きたいところだったがこの様子だと何かしたに違いないのでこれ以上墓穴は掘らないことにした。 「少し確認してもいいですか?」 その女の子は眉間のシワを手で治しながらそういった。 「えぇ……」 俺はもう女の子の隣で怒りが顔に滲み出ている執事に怯えて単語しか発せないbotと化していた。 「アンチ結界スキルについてどこまでご存知ですか?」 ? アンチ結界スキルについて? 「通れなかった結界が通れるようになる……ってことですよね?」 俺の認識はこれだけだが何か違うのだろうか 「……はぁ。」 またため息つかれた!? 「あなた……」 女の子がそこまで言うとそれを遮りサイレンのような音が鳴り響いた。 「え、……?え!?」 なんだ?何が起こっているんだ???? 火事……?いや、いつの火事の話だよ 「リア……!」 リア……? 女の子の名前か? 「はぁぁあああああ”あ”!、!!もう!!」 今まで静かに話していたリア?という女の子は突然声を荒らげて俺に掴みかかってくるのではという勢いで言った 「とりあえず説明は後でするから手伝いなさい!手伝いなさいっていうか尻拭いくらいしなさい!こっちが手伝ってあげるから!」 何を言っているんだ。本当に。 怒られていることだけは明白だった。 俺、完全に何かやらかしているらしい やばい、何かわからないけどやばい 「なんかすいません!!何をすればいいんですか……!!?!」 よく分からないけど指示に従おうッッッ! これで丸く収まるならやれるだけはやる!(???) リア?という名の女の子を追いかけ外に出てみると何やら始まりの街(仮名)の方が明るくなっていた。 「なんだ……何が起きているんだ」 「とりあえず説明しながら始まりの街に向かうからついてきなさい!」 結局、始まりの街でいいのか それよりもリア?の隣にいる執事の殺気がすごい この件が終わったら俺、死ぬかも リア?は何故か始まりの街に向かいながら詳しく説明してくれた 「あなた、アンチ結界スキルについて何も知らないみたいだったわね」 「え、えぇそうなんです。」 「アンチ結界スキルって言うのはね結界スキルのアンチつまり結界に対抗するスキルということなの」 「え、結界を通り抜けられるようになる訳では無い……」 「そう!そうよ!アンチ結界スキルは結界を消し去るスキルなのよ!」 「結界を消し去る……」 「あんたは知らなかったみたいだけど始まりの街にはね、転生者やレベルの低い人たちの集まる待ちなのよ!結界が無くなることで街に周囲のモンスター次々にやってくるわよ!」 …………本当にやらかした。何やってるんだ。ろくにスキルも確認せずに発動して。 「……」 「まぁ、冒険者もいるだろうから殺戮とまではいかないだろうけど結界をすぐに張らないと!弱くてもいいから!とりあえずの結界を!」 「とても言い難いのですが……」 「なに!?いまさら!」 「俺、結界スキル持ってないです」 「………………」 「はぁぁぁああああ!?」 「アンチ結界スキルを持っていて結界スキル持ってないってどういうことなのよ!あんた何Lvよ!」 「……く」 「ごめんなさい。聞こえなかったわ」 「…………Lv6です」 「……嘘でしょ」 「ホントウデス」 「街の結界を消すほどのスキルを持っていてLv6ですって……?聞きたいことが山ほどあるけどとりあえず着いたわ」 始まりの街の周囲はモンスターに囲まれていた 冒険者達が応戦しているようだが戦況は好ましくない 「結界は私たちが張るからあんたはモンスターをどうにかしなさい!アング!行くわよ!」 「仰せのままに」 リア?とアングと呼ばれた執事は走っていってしまった 結界は張れないがモンスターを倒すことなら出来る! 俺はそれ以外出来ない!とにかく加勢しよう それから俺は結界が張られるまでモンスターを倒し続けた 30分ほど経ちリア?と執事は戻ってきた 「待たせたわね。やっと結界を張り終えたわ」 「…………本当にすまなかった。」 「まぁ、謝って済むものじゃないのだけどね。っていうか、私に謝らないでよ。でも、規模が規模だから謝りようがないけどね。まぁ、町長に自分で説明くらいしなさいよ。」 「わかった」 街は大騒ぎだったが冒険者達のおかげで被害は最小限に抑えられていた 俺とリア?達は町長の所へ向かい事情を事細かに説明した 「結界は簡易的なものです。国王への報告も必要でしょうし元の結界を張るためには王都へ行かねばならないでしょう。」 リア?は淡々と告げた 事情はよく分かりました。と町長は丁寧にお辞儀をしたが、この件は私の手に余るものです。王都までご同行していただかないと。と言われ王都に行くことになった。 その時 「大変です!」 と使用人が飛び込んできた。 「何事かね」 「それが……ライゼ様の指名手配書が」 指名手配書???? 「ライゼ様が結界に触れていたところを目撃した者がいたようで」 「あなた、指名手配されてるみたいね」 にやにやしながらリア?は言った。自業自得とでも言いたいのだろう 「そういえばあなたライゼって言うのね」 今?それ……いま? これで確実に王都に行かなければならなくなってしまった。
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