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そう言えばそろそろ、中間テストの時期じゃないのかな……
しばらくゆいくんに遊んでもらえない時期があるかもしれない。そう考えると、少し不安になる。
東京に引越すまではどこにでも車で移動していたから、廉太郎はまだ一人歩きに慣れていない。それなのに、この辺りの小学生はみんな子どもだけで出歩いていて、母親が付き添うと格好悪いという。恥ずかしいからついてこないでと言われればいつまでも息子の送迎をするわけにもいかず、かと言って、迷子、交通事故、子どもを狙う不審者など、心配の種は尽きることがない。
同じ社宅に住み、隣の公園で廉太郎と遊んでくれるゆいくんは、とてもありがたい存在なのだった。
「やっぱり社宅っていいわよね」
そう言うと、社宅の概念を知らないだろう廉太郎が、うんうんと首を縦に振った。
「ぼく、ずっと団地が良かったから!」
「同じマンションに友達がいるってすてきよね」
「そう! それ!」
夫の本社異動と息子の入学のタイミングに、新築の社宅に空きがあったのは嬉しい偶然だった。このマンションは都内でも人気のエリアにあり、駅徒歩5分、南向き4階建ての好物件だ。
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