育児の合間の食事

1/1
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ

育児の合間の食事

「ふぅ……やっと寝たわ」 息子の大翔(ひろと)を寝かしつけ、私はため息をつく。 大翔を寝かしつけるためにかなり時間を使ってしまった。これも母親としての役割なので仕方ないが、疲労が溜まる。 シンクに置いてある洗い物を片付け、室内に干してある乾いた洗濯物を畳んだ。時刻は午後十時、そろそろ主人が帰ってくる頃だ。 私は冷蔵庫を見たが食材を買い忘れてしまい、おかずを作れない。 大翔の育児をし始めてから、忙しさのあまりこういう事態に陥ることは時々ある。 「仕方無いわね、コンビニに行っておかずを買ってこよう」 「ちゃんと作れなくてごめんね」 私は帰ってきた主人と遅めの食事を摂る。 コンビニで添え野菜とポテトサラダを皿に盛り付け、インスタントの味噌汁にご飯というメニューである。 「良いって、結花(ゆいか)も大翔の世話で大変だろ、手抜きだって構わないよ」 主人はポテトサラダを頬張って優しく言った。 そんな風に言ってもらえると安心する。 「それと、俺の方こそいつも結花に負担かけて悪いと思ってる。早く帰れるように会社に交渉してるから」 「分かった。気長に待つよ」 私は言った。 主人の稼ぎで生活は成り立っているが、あまり無理はして欲しくない。 主人が優しく理解がある人で良かったと心の底から思った。結婚相手としても同様である。 疲れてはいたが、明日も頑張ろうと思えた。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!