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育児の合間の食事
「ふぅ……やっと寝たわ」
息子の大翔(ひろと)を寝かしつけ、私はため息をつく。
大翔を寝かしつけるためにかなり時間を使ってしまった。これも母親としての役割なので仕方ないが、疲労が溜まる。
シンクに置いてある洗い物を片付け、室内に干してある乾いた洗濯物を畳んだ。時刻は午後十時、そろそろ主人が帰ってくる頃だ。
私は冷蔵庫を見たが食材を買い忘れてしまい、おかずを作れない。
大翔の育児をし始めてから、忙しさのあまりこういう事態に陥ることは時々ある。
「仕方無いわね、コンビニに行っておかずを買ってこよう」
「ちゃんと作れなくてごめんね」
私は帰ってきた主人と遅めの食事を摂る。
コンビニで添え野菜とポテトサラダを皿に盛り付け、インスタントの味噌汁にご飯というメニューである。
「良いって、結花(ゆいか)も大翔の世話で大変だろ、手抜きだって構わないよ」
主人はポテトサラダを頬張って優しく言った。
そんな風に言ってもらえると安心する。
「それと、俺の方こそいつも結花に負担かけて悪いと思ってる。早く帰れるように会社に交渉してるから」
「分かった。気長に待つよ」
私は言った。
主人の稼ぎで生活は成り立っているが、あまり無理はして欲しくない。
主人が優しく理解がある人で良かったと心の底から思った。結婚相手としても同様である。
疲れてはいたが、明日も頑張ろうと思えた。
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