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「引っ越した理由、わかってる?」
持岡奈保が怪訝な顔になる。
「わかっていたら何か」
「わかってて嫁に来い?」
俺は泰然と答える。
「事件を起こしたのはおまえじゃない」
「だけど、わたしのお兄ちゃんだよ」
「罪は償ったんだろ?」
「今は真面目に働いている」
「問題ないな」
「だけど名前を検索したら事件内容が出てくる。何度も勤め先をクビになっているんだよ」
相手は地域で悪名高き存在だった。
先に手を出してきたのは相手。
兄は友人に巻き込まれるような形でその場にいた。兄も怪我を負った。
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