少年にあらず

14/23
前へ
/23ページ
次へ
「引っ越した理由、わかってる?」  持岡奈保が怪訝な顔になる。 「わかっていたら何か」 「わかってて嫁に来い?」  俺は泰然と答える。 「事件を起こしたのはおまえじゃない」 「だけど、わたしのお兄ちゃんだよ」 「罪は(つぐな)ったんだろ?」 「今は真面目に働いている」 「問題ないな」 「だけど名前を検索したら事件内容が出てくる。何度も勤め先をクビになっているんだよ」  相手は地域で悪名高き存在だった。  先に手を出してきたのは相手。  兄は友人に巻き込まれるような形でその場にいた。兄も怪我を負った。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加