少年にあらず

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「少し、考えてもいい?」 「考えてくれるのか」  俺はキラキラの笑顔をして見せる。 「考えるだけになるかもしれないよ」  持岡奈保が、ためらいを見せた。  だから俺は反り返るように胸を張って、自信たっぷりに思いの丈を語る。 「それでも大進歩だ。何しろ、おまえの行方すら見つけあぐねていた」  それにな 「俺はおまえに高校生に間違えられるほどの童顔だ。浜辺の海の家でお姉さんたちが焼そばをおごってくれるくらい、幼く見えるらしい」  それこそ愛玩動物でぬいぐるみ。  実際は三十二歳の、妖精男子。  イジりとイジメは紙一重だ。 「もしかしてコンプレックスを突いちゃった?」 「思いっきりグサッとな」
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