7人が本棚に入れています
本棚に追加
「小さな頃から言われ続けてきたよ」
俺はフフンと笑う。
「おまけに背も低かったしな」
「年齢相応に見られなかったんだ?」
青色がぼやけてきた水平線を連写しつつ、持岡奈保がニヤリと笑う。
「中学生のとき、ランドセル背負って小学校に行け! ……なんて、いつもからかわれてイヤな気分でいたよ」
「イジメられたの?」
「深刻なイジメには発展しなかったな」
「庇ってくれた人が居たんだね」
持岡奈保が海から俺へと目線を向けた。よかった、という顔を見せた。
「そうなんだよ。助けてもらえた」
高校生時代に背が急激に伸びた。
俺、こんなに大きくなった。
誇らしげに会いたいと思った。
庇ってくれた人は引っ越していた。
最初のコメントを投稿しよう!