少年にあらず

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「いつも上を見ている女の子……」  上昇志向の意識高い系女の子か。  自意識過剰の足元を見ない子か。  どちらだと首をひねる。 「あの年頃の女の子って、同級生男子は子どもっぽ過ぎて恋愛対象外なんだろ? 俺はまったく上じゃないし、同じ目線でもない。下なんて見てくれないよ、乙女たちはね」 「ああ~反論できないわ」  持岡奈保が同意して笑う。 「バスケ選手で大活躍していたってこともあるが」  持岡奈保の目線を捉える。 「……バスケの」  持岡奈保が目を瞬いた。  俺をじっと見つめた。
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