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千鶴さんは物事を客観的にとらえる能力に非常に長けていて、絶妙なさじ加減でゲームを考えるのだ。
その客観視スキルこそが、探偵業をする上でも執筆業をする上でも、千鶴さんの強みになっていると、僕は思っている。
そんな千鶴さんが毎回監修してくれているゲームを、僕が作ることになったのだ。
ここまで言えば、この仕事がいかに苛酷なものであるかが伝わったのではないだろうか。
「でさ、これまでいろんなゲームをしてきたけど、今回はちょっと、リクエストがあるの」
僕が自らに課された任務に恐れおののいている間にも、千鶴さんの話は続く。
ただでさえ難しい仕事なのに、まだ何かあるというのですか。
「な、なんでしょう」
久しぶりに僕が声を出すと、千鶴さんは作業中の手を止めて、僕のほうを向いた。
オフィスチェアを少し後ろに下げ、くるっと椅子を回転させたその仕草は、とても愛くるしかった。
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