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「おまたせー。蓮くんのコーヒーのおかげで思ってたより早く終わったよ」
「え、もう終わったんですか? 早すぎません?」
「そんなことないよ。コーヒーをもらってから十分くらい経ってるよ」
そんなバカな。
いや、千鶴さんがこんなところで嘘をつくわけないから、僕がゲームを考えるのに夢中になっていたということだろう。
ちなみに、探偵モードではないときの千鶴さんは、嘘をつくのが上手ではない。
嘘をつかないのではなく、わりと簡単に見抜ける嘘をつく。それがまたかわいい。
「さぁ、蓮くんはどんなゲームを考えてくれたのかな?」
茶目っ気にあふれた笑顔を見せて、千鶴さんは僕の正面の席につく。
千鶴さんをただひたすら眺めるゲームがしたくなった。
そのとき、千鶴さんが口に運んだグラスがもうすぐ空になるのが目に入った。それを見て、ひらめいた。
僕にしては冴えた、しかも僕ならではのゲームが思いついた瞬間だった。
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