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村人ルシア・アルハイム
この世界、アルマノーグにはかつて魔王が猛威を振るっていたらしい。
今や少なくなった魔物も跋扈していたとか。
もう遥か昔のことだそうだ。
だが今から18年前、魔王が復活し、魔王軍を再結成したとか、そんな話が横行している。
世界が終焉に向かっているとの話だ。
まあだからと言ってただの農民である俺にはどうしようもない話なんだけど。
そんな世界で俺ことルシア・アルハイムと、幼馴染みの女の子、ノエル・エクセリオンは安寧の日々を今日まで送っていた。
ーールーシッド村・アルハイム家の畑ーー
「うおおおおおっ!」
鍬を掛け声と共に地面に振り下ろした。
すると、ザックザックと土が耕せるじゃないか。
気ん持ち良い……!
幾らでも掘り返せるね!
流石は名匠ゴールドバーグ作の鍬である。
「はっははー! 掘れる! 掘れるぜ!」
もうザックザック掘れる。
自分の加護が今こそ火を吹く時!
「農業スキル! 地烈一閃!」
名称はカッコいいけど、直線上を耕すだけの技です。
にしてもこの鍬、オルハルティアは凄いな。
伝説の鉱石、オリハルコンで作られただけはある。
ゴールドバーグじいちゃんに感謝だな。
今は何処に居るか分かんないけど。
そう、俺はかの名匠ゴールドバーグの孫にして…………。
はい、ただの農民です……。
俺に出来る事って言ったら農家ぐらいのもんだからな。
一応鍛冶や裁縫なんかも出来るけど、これが一番しっくり来る。
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