ブリーフィング

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ブリーフィング

「もう一組のグループって、あんた達だったのか!」  まさかのまさかである。   あのバンダナを頭に巻いた大剣を背負った冒険者と、盗賊にしか見えない橙色のショートカットのお姉さん。   それと、浅い緑の長髪を垂らしている弓使いの人。  まさか残る冒険者パーティーがこの人達だったとは思わず、驚きの声を漏らしてしまった。   しかし彼らは気にも止めず、朗らかに話しかけてきた。 「おうともよ! この間の遺恨は抜きで楽しもうぜ? あんた、ルシアっつーんしょ? あたしはレフィーってんだ! よろしくな!」  俺の肩に腕を回し、親指を立てる盗賊のお姉さんもといレフィーさん。  そして、そんな彼女を諫める弓使いーーーー 「お止めなさい、恥ずかしい。 品が無いですよ、レフィー。 …………ルシアさん、この間は笑ってしまい、誠に申し訳ありませんでした。 リーダーから、貴方はとても誠実で真面目な人だとお聞きしまして、謝っておかねばと思っていましたので、早々にお会いできて助かりました。 レフィーはともかく、僕はもう魔人を奴隷とは言わないようにしますので、仲良くしていただけると幸いです。 というのも…………実は僕、貴方の野菜のファンでして。 あんな事があって大変申しあげ難いのですが、いずれ採れ立ての野菜を…………出来ましたらダイクンをそのまま頂けませんか?」  いや、めっちゃ喋る。   この間やり合った時は冷たい人なのかと思ったが、本性は真逆らしい。
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