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言いながら彼の横を素通りして、話を聞いていたエリンの前にしゃがみ
「………んぅ」
頭を撫でてやると、嬉しそうに顔をくしゃくしゃにする。
そんなエリンから目を離し、背後に立つバンダナの人を見上げながらーーーー。
「まずは自分の出来る範囲からしようと思う。 俺は…………今は一先ず、エリンが人並みの幸せを感じられるようになる為に、支えてあげるつもりだ」
そう伝えると、彼は納得した様にフッと笑った。
俺なりの選択を認めてくれたのだろうか。
そんな事を考えていると。
「話聞いてたけど、難しくてよく分かんなくない?」
「…………ホノカ…………頭、悪い……」
「酷い!」
「ルシア、何の話なの? それはそうと、レフィーさん、いい加減ルシアから離れてよ」
たまにはシリアスなまま終わらせてくれません?
※
その後。 シールが戻った頃合いに、今回のダンジョン探索におけるそれぞれの役割について話す事となった。
勇者パーティーが居るとしても、このクエストを受注したのはバンダナの人、セルゲイさんらしく、どうやら彼が指揮を取るそうだ。
「ではこれより、クエストを開始する。 と言いたいところではあるが、まだルシアチームとは擦り合わせをしていない為、一先ずブリーフィングを行うことにする。 異論があるものは居るだろうか」
「私達は大丈夫。 ルシアも困るだろうからね」
「助かるよ、セルゲイさん。 俺達のチームもみんな同じだ」
俺とノエルは、それぞれのチームの代表として答えた。
が、一人だけ反対の声を上げる。
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